「富士山」
古来より信仰の対象であり、芸術や物語の源として人々の想像を支えてきた。
近代以降は、日本を象徴するアイコンとして愛され、同時に消費される存在ともなっている。
固定されたそのイメージを解体し、時が切り替わる気配に目を凝らす。
「3,776.17」
更新された標高という、ひとつの正確な数字。
自然を測ろうとする人間の「観察」と、
変化を感じ取ろうとする人間の「感覚」。
精密さと揺らぎ、事実と感覚、記録と詩、普遍と瞬間を同じ場所に息づかせるための記号。
光の粒子、空気の濃淡、色の移ろい、季節の兆し、影の境界、
世界が変わる直前の、わずかな揺れ。そして音のない瞬間にだけ残る、かすかな温度。
あなたの心の中に、新しい富士の風景が刻まれることを願って。